2005年 09月 13日
全国市民オンブズマン別府大会 |
台風と選挙に見舞われたなか、9月10日、11日の両日、別府「ビーコンプラザ」国際会議場を中心に開かれた第12回市民オンブズマン全国大会は、北海道から沖縄まで全国から360人の参加者を得て、盛況裡に有意義に終えました。初日の全体会では、見張り番のメンバーが「各地報告」で、大阪市の厚遇問題を中心に発表しました。限られた時間に発表しきれないほどの話題満載で、受けを狙った「スーツ」は参加者にわかりにくかったようで、省いた方が良かったと思いました。また、悪知恵の極みである「互助組合連合会」(任意団体)の説明をもう少し丁寧にすべきではなかったかと思われました。しかし、全体としては、分かりやすく興味深く配慮された報告に、参加者は引き込まれ、時々笑い声が聞かれました。
そのあと、長野県の行政改革が大々的に発表されましたが、田中知事が新党党首に就いて、選挙運動の最中であることなどへの配慮が必要ではなかったかと、市民オンブズマンの姿勢が問われるように思いました。
当日まで本人の氏名が発表されなかった警察問題の講演は、不正に手を染めず、日常周囲の冷たい仕打ちと厳重な監視のなかで勤務する現役警察官の話に、身が引き締められました。毎日毎日が、ご自身の強い信念と仲間の厚い絆で支えられていることに、感動の空気が会場全体を包み込みました。
最後に、いま国、地方を問わず進められている「民営化」と情報公開制度の関係を問い直す必要を重視し、裁判などを中心に、市民側からの制度改革を提案した大会宣言を採択しました。
2日目は、議会改革、公共事業、談合・入札、補助金・業務委託問題、情報公開、警察改革と7分科会に分かれて、それぞれの問題を深める議論が交わされました。
見張り番のメンバーは、各自が希望する分科会で意見発表をするなど、積極的に役割を果たしました。情報公開部会は、担当者の個性で会場参加者の発言を制限し、主催者側のプログラム消化を徹底したものでしたが、それなりに課題が鮮明になり、よくわかりました。裁判の傾向と対策が中心の話でしたが、市民運動にも参考になりました。ただ、自治体の扱いは国や上級裁判所と若干異なり、運用面で公開を拡大していこうとする傾向にあり、特に大阪市の「改革」に名を借りた情報公開は、「実施機関」の位置付けや指定管理者や監理団体以外の外部団体の情報公開を条例で義務付けないままに行われていることへの法的な根拠を確認したいと思って参加したのですが、発表する機会はありませんでした。
大阪の弁護団は、国の情報公開への関心がいまひとつとの印象を受けているので、内部情報が持ち込まれても、市民側はなかなか手をつけにくい状況になっています。郵政関係の問題など、興味深い情報もありますが、そのままになっています。
また、インカメラについて、全国的に3例あるなかのひとつということで、大阪市の例を分科会でいきなり説明を求められました。それは、食糧費の最高裁差戻審で、大阪高裁の法廷で原告として経験したのですが、裁判官が原本を確認して終わったもので、特に説明を受けるものでもなく(だから、インカメラなので)原告・市民が分科会で説明できる事案ではありませんでした。また、「独立一体説」(部分的な非公開情報を含む関係文全体を非公開情報として扱うこと)にしても、言葉はなじみがないものですが、すでに自治体レベルでは請求人側の努力もあって、逆に公開を広げている傾向にあるということも大阪市の最近の例であります。しかし、主催者側の意図で名古屋、仙台の裁判例に集中して進められたため、意見を挟む余地がありませんでした。大阪市は、食糧費文書などのいわゆる「白塗り」がなくなりつつあります。また、出勤簿などにしても、決裁に間に合う日までのものを公開してくれます。ただし、この「決め方」に注意する必要があると考えています。
とにかく、情報公開分科会は、担当者の狙いどおり参加者も30人足らずで少数精鋭主義に徹した分科会でした。
見張り番では、17日に臨時世話人会を開いて、全国大会の反省会を行う予定です。
みなさん、お疲れさまでした。
そのあと、長野県の行政改革が大々的に発表されましたが、田中知事が新党党首に就いて、選挙運動の最中であることなどへの配慮が必要ではなかったかと、市民オンブズマンの姿勢が問われるように思いました。
当日まで本人の氏名が発表されなかった警察問題の講演は、不正に手を染めず、日常周囲の冷たい仕打ちと厳重な監視のなかで勤務する現役警察官の話に、身が引き締められました。毎日毎日が、ご自身の強い信念と仲間の厚い絆で支えられていることに、感動の空気が会場全体を包み込みました。
最後に、いま国、地方を問わず進められている「民営化」と情報公開制度の関係を問い直す必要を重視し、裁判などを中心に、市民側からの制度改革を提案した大会宣言を採択しました。
2日目は、議会改革、公共事業、談合・入札、補助金・業務委託問題、情報公開、警察改革と7分科会に分かれて、それぞれの問題を深める議論が交わされました。
見張り番のメンバーは、各自が希望する分科会で意見発表をするなど、積極的に役割を果たしました。情報公開部会は、担当者の個性で会場参加者の発言を制限し、主催者側のプログラム消化を徹底したものでしたが、それなりに課題が鮮明になり、よくわかりました。裁判の傾向と対策が中心の話でしたが、市民運動にも参考になりました。ただ、自治体の扱いは国や上級裁判所と若干異なり、運用面で公開を拡大していこうとする傾向にあり、特に大阪市の「改革」に名を借りた情報公開は、「実施機関」の位置付けや指定管理者や監理団体以外の外部団体の情報公開を条例で義務付けないままに行われていることへの法的な根拠を確認したいと思って参加したのですが、発表する機会はありませんでした。
大阪の弁護団は、国の情報公開への関心がいまひとつとの印象を受けているので、内部情報が持ち込まれても、市民側はなかなか手をつけにくい状況になっています。郵政関係の問題など、興味深い情報もありますが、そのままになっています。
また、インカメラについて、全国的に3例あるなかのひとつということで、大阪市の例を分科会でいきなり説明を求められました。それは、食糧費の最高裁差戻審で、大阪高裁の法廷で原告として経験したのですが、裁判官が原本を確認して終わったもので、特に説明を受けるものでもなく(だから、インカメラなので)原告・市民が分科会で説明できる事案ではありませんでした。また、「独立一体説」(部分的な非公開情報を含む関係文全体を非公開情報として扱うこと)にしても、言葉はなじみがないものですが、すでに自治体レベルでは請求人側の努力もあって、逆に公開を広げている傾向にあるということも大阪市の最近の例であります。しかし、主催者側の意図で名古屋、仙台の裁判例に集中して進められたため、意見を挟む余地がありませんでした。大阪市は、食糧費文書などのいわゆる「白塗り」がなくなりつつあります。また、出勤簿などにしても、決裁に間に合う日までのものを公開してくれます。ただし、この「決め方」に注意する必要があると考えています。
とにかく、情報公開分科会は、担当者の狙いどおり参加者も30人足らずで少数精鋭主義に徹した分科会でした。
見張り番では、17日に臨時世話人会を開いて、全国大会の反省会を行う予定です。
みなさん、お疲れさまでした。
by mihari-obz
| 2005-09-13 13:02